こんばんは。
摂食障害。
食べない。食べ過ぎる。食べて吐く。痩せ願望。
多くの方は「激やせ」を連想するかもしれません。
それだけでなく 痩せに少し願望?はあっても
そこまででもなく 単に食べていたい
食べた後に来る 強い懺悔と 自己否定がある、過食症。
そして、過食であることを隠したい(意図的に、無意識に)ので
体重をそんなに減らさないケースもあります。
私なりに この約10年で
栄養とメンタルと過食について勉強して
そして多くの患者さんと出会ったことなどを
数回に分けて書きたいと思います。
うまくいった例、いかなかった例を含めて。
まずは 摂食障害とは、です。
TERY’s News 5月号No.㉟にも一部 書きました。
摂食障害とは:単なる食欲や食行動の異常ではなく、
1)体重に対する過度のこだわりがあること
2)自己評価への体重・体形の過剰な影響が存在する
といった心理的要因に基づく食行動の重篤な障害です。
摂食障害は大きく分けて、神経性食欲不振症(AN;神経性無食欲症、神経性食思不振症、思春期やせ症)と神経性過食症(BN;神経性大食症)に分類されます。
ANには不食を徹底する「制限型」、あるいはむちゃ食いをともなってもそれに対する排出行為で代償しながら低体重を維持している「むちゃ食い/排出型」があります。
一方、BNにはむちゃ食いを繰り返しながらも体重増加を防ぐために種々の不適切な代償行為をともなっていますが、ANと違ってやせに至らないことが特徴です。そのどちらにも明確に分類されない摂食障害(例:むちゃ食い障害)は、特定不能の摂食障害(EDNOS)と呼ばれています。世界保健機関(World Health Organization:WHO)が策定する診断基準では、摂食障害は「生理的障害及び身体的要因に関連した行動症候群」のひとつに分類されており、身体的要因と精神的要因が相互に密接に関連して形成された食行動の異常と考えられます。
~「厚生労働省作成のポータルサイト「みんなのメンタルヘルス」の説明より抜粋」~
※厚労省のこの文章の担当者の方より 承諾をいただいております。
そして 私的なチェック項目です。
(これ以外にいろいろありますが)
・吐きたいくらい食べたい
などの辛い症状は摂食障害の可能性があります。
親からの過度の期待や育児無関心、 虐待、
ダイエット(痩身)、家族や他人からの体重や体型の指摘、
からかわれた記憶、いじめ体験、スリム願望、
不安発作、完璧主義の性格、自尊心
許せない何かがあって 気が付いていないことがあります。
私は栄養状態もあると考えます。
でも一番は、ストレスかと思います。
当院にいらっしゃる方は 知人のご紹介か
インターネットで調べて、と言う方が多いです。
「摂食障害です」と 問診票にその旨を書くかたは稀で
多くの主訴が「だるい」「動悸」「パニック」 「便通異常」で
時に「甘い物を無性に食べる」と記載されています。
それでお話を聞くと、
実は、ずっと摂食障害です、と。
実は過食しているのだけれど
それを伝えることに抵抗があるのかもしれませんね。
ちっとも、恥ずかしいことではないです。
いろいろな 長くて深い理由があるのです。
弱いから なっているわけでもないし
好きでやっているわけでもないです。
この飽食の時代だからって、食べ物を粗末にするなんて
・・・というご意見もあるでしょう。
それもごもっともです。
本当の食べ物のありがたみがわかれば と言うご意見もございましょう。
でも、どうしても わかっていてもやめられない疾患、状態なのです。
まっとうな考え、食欲が歪んでしまう、原因があるのです。
日本と言う先進国だからこそ
色々なことが絡み合って増えているのだと思います。
そういう疾患が 摂食障害です。
心=脳、 自律神経、臓器、ホルモン、血液、
それらを作る栄養素、食べる習慣、
トラウマ、対人関係、環境、遺伝などを
まとめて考える疾患と思います。
そして、ほかの色々な疾患もそうですが
本当の理解と 理解者、サポーターが必要です。
多くの患者さんが もがき苦しんで
支えを必要としています。
孤独と闘っています。
コンビニで、スーパーで たくさん食べ物を買うときは
多少の罪悪感があり
そして 食べ終わった時と、食べている最中、
食べ終わった後、
お手洗いで すごくすごく辛いのです。
孤独です。
人と一緒に食べることが苦痛のこともあるようです。
もっと食べたいのに、相手に食べるところを
見せたくないので。
でも、勇気を出して誰かと食べることで
しゃべりながら食べることで
気が付いたら、食べる量が減ることもあります。
自分の周りにはいない と思う方も多いでしょうけれど、
結構いらっしゃるかもしれません
もしいらっしゃるのであれば
否定、同情でなく
どうしてなってしまったのか
その方に触れあって
支えになってほしいと思います。
摂食障害の方は
病気と思っていないこともありますし
実はちょっと? 真面目で頑固と言うか
几帳面で 完璧主義であることが多いので
聞く耳持たない方もいらっしゃるかもしれませんが
それを否定せずに、ぜひ、少しづつ。
苦しんでいる方にも
支える方にも
なんとか少しでも 役に立つ情報を書けたらと思います。
続きはまた次回に。
ではまた。
あ 最近
こういうものに 心奪われます。
前の写真ですが
何度見ても癒されて。
何度もすみません、犬ネタで。
先日、過去記事にコメントした際温かいご返信ありがとうございました。
お返事を読んで、とても幸せな気持ちになって過食しないで頑張るぞと明るく過ごせました。
しかし、数日後にはソワソワしてしまい、少し食べたのがスイッチとなり過食。
惨めで情けない気持ちになり、また過食嘔吐の日々。。
何年も言えずに隠してきた夫へ打ち明けました。これまで絶対言えやしないと思っていたのに。過食はストレス解消と趣味も兼ねているから甘えも多いと思っていましたが、よくよく考えると夫を心から信頼できていないからでした。
告白してから、隠すものはないと思うと気も晴れ晴れして今のところ過食していません。
でもまた過食してしまう日もあるかもしれませんが、ひとりじゃないと思えると少しずつがんばれそうです。
摂食障害についての記事、うなづくばかりです。これからも拝見させていただきます。理絵さんには本当に感謝しています!
>mamiさま
こんばんは。
勇気を出して告白されたのですね!!!
すごい。
素晴らしいです。
精神的な悩みや疾患を隠すことはないと思うのです。
告白する相手にもよるということが、現実ですが。。。
疾患にしても なんにしても 自分の身体から出たもの
生活習慣や体、精神、周囲のこと
いろいろ絡んでなるものだと思います。
たまたま出来上がってしまったジグソーパズル。
これは先輩のお話を拝借ですが
その一つ一つを はずせたら。
辛さも減るのではないかと思います。
全部のピースを外す必要もないのが人生で、
でも外せたらいいのにな~と
思ってしまいますよね。
過食をやめると 見えてくるものもあると思います
そして やめたはずなのに
突然また、過食したい気持ちが復活することもあるかもしれませんが
少しづつ治っていきますように。
これからも 自分を責めずに 穏やかにお過ごしくださいね。
応援しております。
理絵
はじめまして。来年50歳になります。
16歳で拒食症になり、その後過食嘔吐に。若い頃は過食の症状が激しく、嘔吐できずに寝てしまった時には雪崩のように精神状態が悪くなり、頑張って積み上げてきたものをすべて投げ出してしまうことがよくありました。
合格レベルを大幅に越えるまで勉強したのに、大学受験に行けなかったり、相思相愛だった人にも何度も調子を崩すのでも申し訳なく、自分から別れを告げました。(その後は本当に絶望してしまって、約1年家から出られませんでした。)
その後、何度も積み上げる、崩すを繰り返し、30代過ぎて就いた仕事で思ったより力を発揮できたこともあり、躓きながらですが少しづつ自信をつけていきました。
10年前に結婚して息子が一人おり、過食嘔吐は今でも完全に直ったわけではないですが、彼が生まれてから大きく調子を崩すことはなくなりました。息子には心から感謝しています。仕事を中心に、人生で関わった多くの人にも感謝しています。
5年前には、出産後も続けていた仕事で独立を果たして、小さいですが、会社を経営しております。
この病気に悩んでいる人は、支えは必要ですが、最後は誰のせいにもせずに、自分で越えていくしかないのだと思っています。今は病気を抱えながらここまで頑張った自分を誇りに思っています。だから、これで良かったのかもしれないですが、長い間苦しみ、躓き、何度も人生で行きたい選択をできなかったことを悲しく思います。中には取り返しのつかないこともあるので…。同じ病気で苦しんでいる方々が、少しでも早く、元の生活に戻り、幸せになれる方法はないのかと思います。
治療に関してですが、初めて親に連れられていった大学病院の診療内科から始まり、多くの病院に通いましたが、残念なことに症状が好転することはありませんでした。先生のブログを呼んで、サプリメント等による栄養治療は、症状の好転を心理療法よりも、より直接的にサポートしてくれる気がします。
基本的には、本人が成長して自分を肯定していくことが肝心ですが、少なくとも負のスパイラルを防いでくれる気がします。
申し送れましたが、私の仕事はコピーライター兼広告代理業、あと通販化粧品の企画・販売をしております。
栄養療法は、摂食障害の他にも様々な病気に適応したものだと思いますが、
摂食障害(拒食、過食、過食嘔吐)それぞれに対応した処方のサプリメントなどを通販で病気の方などに売ることはできないでしょうか?その症状時に不足しがちになる栄養素を補給することで、身体や心が楽になり、少しでも早く快癒していく方がいるのなら、嬉しいです。
中には自分に絶望して、かといって死ぬこともできず、あの頃の私のように延々泣きながら暗い部屋で引きこもっている方もいると思い、先生に処方していただいた摂食障害のサポートサプリをネットや紙媒体でを売ることができないか?と思った次第です。
いきなり支離滅裂な長文を申し訳ございません。
>岸本様
コメントありがとうございます。
なんとお辛い過去を書いてくださってありがとうございます。
私のクリニックにも、同じような苦しみの方もいらっしゃいました。
そうなんです、自分で乗り越えなきゃならない のがちょっと辛いかもしれません。
でもそのアドバイスをしてくれるところを探してほしいですし
栄養の補充と共に どうやって患者さんが自分を赦せるか、そのサポーターでありたいと私は思っています。
でも、周囲の理解と協力もとっても大事で。。。
サプリの取得をご自身でやることは賛否両論、むしろ危険だという説も 否定はできず
でも家で栄養を摂らないことの方が心配ではありますが。。。
ひどい低血糖、トイレで涙ぐむ生活・・・
本当にせつないですよね。
吐くことができないと猛烈に腹立たしいし、吐いたらそれはそれで消化器にはとんでもないことですし・・・
何とかいい方法があるといいですね。
過食をやみくもに止めるよりは
なんとか体内に入っていく栄養素をあげるために
良いものを食べてほしいと思います。
やはりアミノ酸、良い脂質、便通対策。
欲張るときりがないですが 脳、全身に必要な栄養を、少しづつ。
でひこれからも頑張り過ぎずに、毎日が遅れますように お祈り申し上げます。
またよろしくお願いいたします。
ではまた。