こんにちは。
貧血について。
昨日は月経(生理)について書きましたが
女性と貧血は切っても切れないものがあります。
そもそも「貧血」とは。
簡単にいえば 血液中の赤血球数、血色素、赤血球の大きさなどが
ある基準以下になったことを 貧血といいます。
一般の方がイメージする貧血は
・お風呂に長く入って 出た時くらくらする
・朝礼でひっくり返る
・立ち上がった時に ザーッと血の気が引く
といったことが多いようですが、これは脳への循環が落ちたもので
一般的に言うには 脳貧血というものです。
医学的貧血と定義は異なります。
血圧の低下 自律神経のバランスなどが関与しています。
ま、でも 脳貧血を起こしやすい人には 血液の貧血を伴うことが多いのですが
貧血があっても必ずしも脳貧血症状がでるわけではないので
「くらくらしない」から 貧血がないわけではないのです。
貧血が慢性的にある場合 (特に生理がある女性)は
常に低いことに慣れているので 自覚しない方が多いです。
貧血には 種類がいろいろあって
・材料が足りない(鉄、ビタミンB12、葉酸)
もともと摂取が不足のこともあれば、出血などででていってしまうとか
食べても吸収できない人もいます
・壊される(赤血球の膜が弱い・・・コレステロールやビタミンE)
・骨髄から作れない
などなどの原因があって
この血液の代謝に 蛋白質やビタミンB群、A、E、
亜鉛などのミネラルが関わってきます。
特に以下は鉄欠乏性貧血の話です。
鉄欠乏性貧血ではその くらっとする の他に 息切れ、めまい、冷え、シミのほかに
神経症状(脳)にも関与するので、いらいらする、物忘れ、感情の変化
などがみられます。
鉄欠乏で うつ症状もあるのです。
女性の慢性冷えや いらつきには 鉄の不足もひとつの原因であると思います。
鉄が足りないくらいの方は 大抵 蛋白質なども足りていないことが多いのですが。
そういう自分も「フェリチン」=貯蔵鉄 が30以下で当たり前
という慢性鉄欠なのですが 確かに慣れてますねー
(男らしく働きたかったらもっとあげなきゃいけません・・・)
なので 鉄不足を訴える前に つい診察や セミナーで
血糖のこと、コレステロールのこと、ビタミンBのことなどを多く語りますが
鉄の話を最近あまりしていなかったことに反省します。
鉄のデータが 低くない患者さんにめったに出会えないので
すっかり 感覚がマヒしていたかもしれません。
鉄のものすごい過剰摂取は確かによろしくないですが
日本の特に有経女性で 足りている人にはであえません
それくらい 慢性潜在性鉄欠乏は多いです。
みなさんも慣れているのではないでしょうか?
または きちんと生理はありますか?
生理がないからかろうじて鉄が保てているというのは
これまた よろしくないことです。
検診などでチェックして 引っかかったことがないというかたでも
結構隠れ貧血は存在します。
貯蔵鉄を反映するフェリチンを測ってくれるところは
あまりないですし・・・
なんにしても
うつでもだるさでも 原因があるということです。
食べ物の内容、質、食べ方、消化の仕方、吸収、
その方のストレス、ホルモン、自律神経
色々なものが組みあわさって 人は生きています。
でも男性でも侮りがたしですよ!
男性でも貧血がある方は 胃腸が悪くないか
痔はないか 消化不良なのではないか など
検討された方がいいです。
先日内科外来での話を聞きました。
男性で 急激に貧血、黒色便にて入院になった方がいらっしゃいました。
Hb6と低下し 輸血になったそうです。
原因は「潰瘍」。特にストレスもなかったけどなんで?
それは・・・膝か腰が痛いので
痛みどめを飲んでいたそうです。
いつの間に・・・
痛みどめによる潰瘍は医療界では常識ですが
一般の方にはそんなに浸透していないのでしょうか。
初診の患者さんならば 必ず『何か飲んでますか?』と聞きますが
ずーーーっと来院されてて 「特に変わりないです」というと
そのままになってしまうことは 多分医療において多々あると思います。
隠して言わない方もいらっしゃるし。
必ず、内服している薬のことなどは
薬を出される先生が何科であろうと 必ずお伝えくださいね
そして、なんといっても 薬の重複、不必要に飲み続けること
気を付けてください
特に痛み止めと 潰瘍と 貧血は
結構な頻度でみられますから。
膝や腰の痛い方の他に
若い女性の「頭痛薬」内服も多いですよね。。。
これもきちんと問診で聞かないと
『飲むのが当たり前』で薬という感覚がなく、言わない患者さんも多いですし。
市販の痛みどめも十分胃腸には注意して飲んでください。
貧血~貧血による頭痛~頭痛薬乱用~胃腸障害~さらに貧血の悪化
という負の連鎖も 侮りがたし。ですから。
アルコールの多飲と スポーツのし過ぎも。
貧血にご注意です。
ではまた。
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